Emma St. Clair Part II by Emma St. Clair

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Emma St. Clair(Facebook)については昨年の2月にリリースされた彼女の1stアルバム「Emma St. Clair」にかこつけて色々と書いたのでそちら(Link)を参照していただけたら。ここではそのアルバム発表後の彼女の活動について纏めることからはじめよう。
まずは5月、前作「Emma St. Clair」から3ヶ月というショート・スパンで新曲”self improvement”を公開(注・2016年3月現在、彼女は同曲をBandcampからDelate済みであり、同曲の公開直後にFacebookにてアナウンスしていた7インチのリリースも今日に至るまで発売されていない)、と同日に昨年4月と5月にネパールで起きた震災の復興支援を目的として、あわせて25のインディー・レーベル、50アーティストが合同で企画し、”Label Friends”という名義でname your priceにてリリースしたベネフィット・コンピレーション「Benefit for Nepal」に彼女の1stアルバムのカセットをリリースしたdiy4lyfe Recordsを代表してCanyonsとともに参加、未発表曲”Holy Fuck”(注・のちにアルバム「Emma St. Clair Ⅱ」に”Holy”と改題されて収録される)を提供、10月にSoundcloudにて公開済みであった楽曲”Powder”をシングルとしてリリース、同月には1stアルバム収録曲の”Sorry”をLAのプロデューサーCeramiks(Soundcloud)とオハイオのビート・メイカーOedipus(Soundcloud)がリミックスしたシングル「“Sorry”[Remixes]」をBandcampにて公開、翌11月にはdiy4lyfeのコンピレーション「Start Thinking About You」に”Bedroom Wall”・”Dramatic”の2曲で参加、その2曲のうち”Dramatic”は彼女にとって初となるMVが制作され、vimeoにて視聴可能(Link)。そして前作から約1年、セカンド・アルバムとなる本作「Emma St. Clair Ⅱ」を自身のBandcampにて発表したのが先月のアタマのことだ。

1stアルバムの発表後にBandcampにて公開され、すぐにDelateされてしまった名曲”Gravity”、既発曲の”Powder”やSoundcloudでのみ公開されていた”Oxycodone”など、前作よりさらにメランコリアの深度が増した楽曲がずらりと並ぶ本作は、プライベートな時間、例えば真夜中に自分以外誰もいないベッドルームで自己と向き合う以外なにもない時間に、まっすぐに突き刺さる。日常的に聴く類の音楽ではないのかもしれないが(僕はそうでもないのだけれども・・・)、この全9曲に込められた深い哀しみや慟哭は、いま心が痛んで仕方ないというヒトにきっと癒しを与えてくれるもので、Emma St. Clairというアーティストは少なくとも僕にとっては本当に大切な存在だ。
なお、このアルバムはname your priceで公開されており、収益はすべて「an American, anti-sexual assault organization」を宣言するRAINN(Rape Abuse and Incest National Networkの略) という団体へ寄付すると明言されている。前述した「Benefit for Nepal」への参加もそうだが、自身の音楽を通して彼女が社会的な活動との関係を模索しはじめたことは明らか(彼女自身はそのことを決して声高にはアピールしないが)であって、その視線の先にあるものを考えるとおのずと彼女の倫理観が浮かび上がってきてとても興味深い。

結局のところ、この歌たちの訴求力の源となるものはなんなのか、昨年からずっとひとりでアタマを悩ませている。これまでに彼女が発表してきた楽曲すべてに耳を傾けて、リリックシートを熟読してきたうえでは、これをいま歌わなければ自分はどうにかなってしまう、この瞬間に楽曲にして表現しなければもう生きていけない・・・そんな刹那的ともいえる猛烈な表現衝動が彼女のなかで常に渦巻いているのではないか。それらの衝動の純度の高さであり、そこに向かわざるを得ない切実さこそが彼女の歌の持つチカラの正体ではないか。Trk-4などはその最たるもので、タイトルである”Conversation”(:会話)を彼女は希求しているであろうにも関わらず、一切のリリックを排除してインスト・ナンバーにこの楽曲を仕上げている。これは、そこにはもう会話どころか言葉の余地がないくらいに対象と「断絶」しきってしまっていたからなのだろうし、そんな表現の方法論に向かわなければいけなかったこのアーティストのモチベーションが切実でないとするならば、一体なんだというのだ。彼女の音楽は「美しい」よ、ホント。

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