Spiders/Graveyard live at Brooklyn Bowl NY,Feb.9th,2016

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途中まで書いて放置してたこちらのエントリーの続き。ライブ・レポートというよりはただの日記、旅行記的なもの。長いです。

2月9日
NY滞在2日目、日中に回ったのはこういうところ。
NYで劇場版ラブライブの舞台となった場所は滞在3日で全部回れた。向こうで確認してきたことだとか、昨年の夏から書き溜めている劇場版の考察をどっかで纏めたいなとは思ってるんだけど、すでにその草稿が3万字とかになってしまっていて、収拾がつかなくなっていて。。きょう3月15日、#園田海未生誕祭2016に合わせて公開できたらというアタマはあったんだけど、やっぱり無理だった。こうしてボツになっていく書きかけの文章って、この数年で何十万字に及ぶのだろう。。
IMG_9963(ディランの「Freewheelin’」のジャケの撮影場所がグリニッジ・ヴィレッジのJones Streetを入ってすぐのあたり)
IMG_9961(1)(ニール・ヤングの「After The Gold Rush」のジャケの撮影場所は↑のディランの「Freewheelin’」のスポットから1ブロックくらい)
で、日が落ちるころにブルックリン橋に向かって。
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星空にゃ!ここでハロ星聴くってのは昨年からずっと念願だったんで、かなりクるものがあった。気温がマイナス8度とかだったんで寒かったけどな!
 ああ、あとNYはベジタリアン・フレンドリーな店が多くて本当に助かった!僕はもう3年くらい?お肉を食べないライフスタイルを過ごしているので(「ライフスタイル」って単語を使いたかっただけで、そんなに大層なものじゃない笑)。や、日本でも調べておけば全国各地にベジなお店ってあるんだけど、結構割高だから日常的に通うとかっていうのは無理というか。コストとかデリバリーなんかのことを考えると仕方ないんだけどさ。でも、NYはヴィーガン向けのファーストフードとかあって。そうでなくても、そこらのハンバーガー屋にベジバーガー置いてあるし。そうなのよ、手軽にそういうファーストフード店で食事をしたいのよ。でもああいうの、日本では無理だろうなー。日本ではベジって圧倒的に普及していないし、日本人だけがそうなのかは知らないけど、すぐベジの人ってヨガだの宇宙だの言いたがるからさ。ああいうのがベジの普及を妨げてるっていい加減気づけよってな。そんなん、デッド追いかけてるヒッピーの世迷言と変わらんよ。ただの食事じゃねえか、そもそも。最近、批判めいたことやDISとかの類をクチにするのが僕は躊躇われて仕方ないのだけど、この件については別。ああいう連中、本当に邪魔臭いわ。
で、一旦マンハッタンまで戻って、Bラインに乗って会場のBrooklyn Bowlの最寄駅のBedford Avenueへ。ベッドフォードは ブルックリンではもっとも栄えたエリアらしいのだけれど、夜間はお店も閉まってるところ多くて、マンハッタンと比べると薄暗くて人通りも全然なくて(それは当たり前なんだけど)、さほど面白いものでもなく。でもこの19時前のBラインのDowntown行き、NYでは地下鉄を利用していて混雑してると感じることはあまりなかったのだけれど、日本のピーク時の中央線並みの混雑っぷりで、マンハッタンに働きに出てる人が仕事終わってブルックリンに帰るのかなとか。相も変わらずちゃんと調べたとかではないから全然違うかもだけど。ベッドフォードに着いたタイミングで、成田空港でレンタルして持って行ったイモトのWi-Fiが突然電波を受信しなくなってしまって、Googleマップのオフラインエリアでも現在地が定まらず。行きたいショップが何軒かあったんだけど諦めて、ライブまでちょっと時間もあるし、その辺を歩いていたロック好きそうな連中が会場に向かってると信じて、その10mくらい後ろを着いて行く。テキトーだな。
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こんな感じ。このとき自分がやってたこと、まるでただの不審者だよなあ。。で、その彼らが辿り着いたのがここ。
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って、レコ屋じゃねえか笑 まあ、ここには寄るつもりだったからよかったんだけどさ。このRough Tradeも含めて、今回NYのレコード屋を何軒か周ったけど、もう全然ダメ。シケシケ。世界各国のバイヤーが根こそぎ買ってるんだろうなあと。目ぼしいものはなにひとつなかった。14年前に友人とNYに来たときはふたりで何百枚買ったかわからないくらいだったんだけど、今回の滞在期間に買ったのは全部で7インチ3枚とか、そんな程度。あとここのRough TradeでReal Kids(5月の来日公演、死ぬほど行きたい。。)の1stのNorton再発のカセットは買った。ここのRough Tradeも、昨年訪れたロンドンのRough Tradeと一緒で、良くも悪くもセレクトショップ的なというか、新旧のメジャー/マイナー、またはジャンルを問わないスタッフ・ピックによる名盤が所狭しと並んではいたけど、そこはほら、世界の中心ブルックリンのRough Tradeなわけで。僕が期待していたのはNYのアーティストたちの音源が紹介されてるコーナーがあったりしないかというものだったのだけど、そんなものは見当たらず。ただまあ、これは「ビジネス」だから。その一言に尽きる。ラフトレから徒歩数分の会場に着いたのはライブの開始時刻の20時ちょうどくらい。
この日の会場のBrooklyn Bowlはその名の通りボーリング場なのだけれども、夜間には併設されたライブスペースでバンドの演奏を楽しみつつ、バースペースで食事も出来るという、ブルックリンのナイトライフを盛り上げるなんとやらみたい。まあ、こういう機会でもないと僕なんかは絶対行かないところ笑 ライブ中も演奏の合間にライブスペースの横のボーリングのレーンからピンが倒れるあのお馴染みの音が聞こえてきたりして、ちょっと面白かった。でも、Brooklyn Bowlは割と大御所というかメジャーなアーティストがライブを行っている大バコ(新宿リキッドルームよりも大きいと思う)で、僕が帰国して一週間くらいしてからBrooklyn BowlのFacebookページにこんな投稿があったのには流石に驚かされた。

 

A real pleasure hosting President Bill Clinton tonight at Brooklyn Bowl. What a night! Photo credit: @karamgold.

Posted by Brooklyn Bowl on 2016年2月17日

 

ビル・クリントンって・・・。なにしてたのかよくわからないけど、すげえな。(FBの投稿がちゃんと表示されないけど、検索したらコードがどうこう出てきてめんどくさいのでこのまま。今更ながら、wordpressなんかlo-fiな自分には使いこなせねーっての)
なので、今回Spiders/GraveyardっていうスウェーデンのバンドたちのUSツアーで会場埋まるのかな?と思ったりもしたのだけれども。
オープニングのSpidersがライブを始めるころには会場の客数はフロアの半分くらい?最終的には満員になっていたから、こういう音楽の支持層が厚いんだろうなとは。
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SpidersはもともとWitchcraft(新作最高!)に在籍していたギタリストのJohn Hoylesによって2010年に結成されたスウェーデンのハードロックバンド。70年代直結のサウンドが人気を博していて、2012年の1st「Flash Point」は日本盤も出ていたのでご存知の方も多いのではないかと。正直、音源を聴く限りではカッコいいけど僕の好みではないというか、なんか芋臭い田舎の兄ちゃん姉ちゃんが時代錯誤的にメジャー志向のハードロックやってんじゃねえの?なんて思ってたりしたんだけど。
昨年リリースされたセカンドアルバム「Shake Electric」の冒頭曲”Mad Dog”から、同じくセカンド収録のパンキッシュな”Control”へのメドレーで蓋を開けた彼女たちのライブは、そんな僕の穿った見方をキックオフしてくれました。兎にも角にも演奏がシャープ!ライブを観た感想としてはShakin’ Street(Dictators〜Manowarのギタリスト、ロス・ザ・ボスが在籍していたバンド)に近いのかなと。硬質で、ソリッドなリフを主体としたパンクロックに近しいロックサウンド。
(Brooklyn Bowlでのライブの2週間前、NYのBowery Ballroomで彼女たちが行ったライブ動画、フルセット。僕が観たBrooklyn Bowlでのライブとセットリストはだいたい一緒。パフォーマンス自体はツアーの2日目ということでBrooklyn Bowlでのライブよりぎこちないというか固め。これを撮影しているのがPit Full of Shitっていうサイトの人で、このサイトは個人で運営しているというのが信じられないくらいに管理人が撮影した動画が大量に公開されているので、メタル、ハードコアとかがかなり強いんでその辺好きな方は要チェックかと。メタルとかに限らず、例えばインディーポップだとWildhoneyのライブ、フルセットとかもあります)
観客のほとんどがGraveyard目当てだったと思うし、Spidersはまあどんなものか見てやるか的な雰囲気がライブが始まるころには漂っていたのだけれども、ライブが進むにつれてすごい歓声が沸き起こっていて、終了後の物販に行列が出来ていたくらいにリアクションは良かった。女性VoのAnn-Sophie Hoylesもステージ映えするというか、圧倒的に華があって。完璧な歌唱に加えて、イギー〜デヴィッド・ヨハンセン〜スティーブ・ベイターズのようなステージパフォーマンスで観客を煽ること煽ること。僕は彼女にステロタイプなロッククイーン的なイメージを抱いていたのだけれど、ステージ上のAnnはすかすでもなく観客に媚びるでもなく非常に自然体で、すごくラブリーだった・・・「ラブリー」というのが適切な言い方かどうかはわからないけど。ライブのハイライトは1st収録の”Love Me”。ハードロックというよりもStooges、またはプロト・パンク的なリフの嵐で会場の空気を震わせてた。フロアをがっつり暖めてSpidersのライブは終了。

 

Graveyardはスウェーデンのハードロック、サイケ、ドゥームの影響色濃いバンド。のちにWitchcraftを結成することになるギタリストMagnus PelanderとともにNorrskenというバンドで活動していたJoakim Nilsson(Vo/G)とRikard Edlund(B/Vo」が、Norrsken解散後にAlbatrossというバンドを経て2006年に結成、その目指す方向性を自ら「クラシックロック」であるとし、これまでに4枚のアルバムを発表している。彼らの音楽性は70年代のハードロック、サイケ、ドゥーム、クラウトロックとか、それらの要素で構成された楽曲をビンテージなサウンドで演奏して・・・っていうのが一般的な評価だろうしそれは間違っていないと思うけど。例えば、彼らの昨年リリースされた最新作となる「Innocence and Decadence」の冒頭曲”Magnetic Shunk”(参考:Link)などは、Voの声質がロバート・プラントに似ていることからそこらで見かけるZepとの比較論(勿論Zepに彼らは影響を受けてるんだろうけど)を鼻で笑うかのように、そのZepがデビュー当時「模倣」したアメリカは西海岸の伝説的なロック・バンドMoby Grapeの”Hey Grandma”(参考:Link)を下敷きにしていたりするわけで。その他にも、Quicksilver Messenger Serviceの69年の名作「Happy Trails」や後期Byrdsとか、70年代のハードロックが駆逐したという風にロック批評においては語られがちな60年代のロックを正しく70年代のロックの文脈に繋げて体系的に理解・消化し、それらを自身の音楽性へと繋げていく・・・という、批評的なスタンスがあることはもちろんなんだが、それに優先するただのレコードジャンキーっぷり。目を血走らせてレコード屋のエサ箱を漁って、そこで抜いていった盤から学習(というのも嫌な言い方だけどさ)して、新しい音楽性にアップデートしようとした形跡が彼らの音源の其処彼処から聴こえてきて、その手法の鮮やかさ・センスに僕なんかは惹かれていたわけだ。それでいて彼らが影響を受けた音楽、時代背景、ライフスタイルといったものへのリスペクトに耽溺してしまうことなくクールな距離を保っているのがとてつもなくカッコいいなあと。このエントリーの冒頭に貼った今回の彼らのUSツアーのポスターに掲げられた「Classic Rock With Modern Roll」というのも、もしかしたら”Modern”ってのが”Mod”、すなわち俺たちはモッズ経由だぜ!ってのを密やかに宣言してるのかもだけど、回顧するだけでなくあくまでも現代的な音楽をやるんだっていうのが伝わってくるなあと。で、、音源は結構地味(失礼!)なのに世界中で支持を受けているこのスウェーデンのバンドがどんなライブをやるものなのかなと、期待していたわけだけど。
Spidersのライブが終わってから30分ちょっとの転換タイムを経て、客席にクラウト・ロック風味の謎SEが大音量で流れ、続いて2011年の彼らにとって2ndアルバム「Hisingen Blues」収録のスローなロック・ナンバー”No Good, Mr. Holden”でGraveyardの登場を待ちに待った観客たちに変化球を投げるようにライブはスタートしたのだけれど、こいつら本物。レベルが桁違い。スウェーデンの国内外でフェス常連、数万人っていう観客をシェイクし続けてきたGraveyardはさすがに貫禄があって、演奏もステージ上の存在感も圧倒的。もうこの1曲目の時点で即死級なのに、続いて2曲目が昨年リリースの最新作「Innocence and Decadance」のなかでももっともハードなナンバー、アルバムのレコーディング前に脱退したオリジナル・メンバーRikard Edlundと入れ替わりでバンドに再加入したTruls Mörck(この人が昨年リリースしたソロアルバムもすごくよかった)がVoをとる”From A Hole In The Wall”!
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この曲の中盤のブラストビートのところとか、ちょっと唖然とするくらいの突進力で、彼らの音源がいかに貧弱なプロダクションによるものなのかっていうのを痛感させられた。アルバム「Innocence and Decadance」がライブ・レコーディングだったというのは、このライブの空気をパックしたかったという理由によるものだったのかと。まあ、あのライブ感はレコードでは再現不可能だと思うけど。
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Graveyardについて僕が抱いていたレコード・ジャンキー的イメージ、または世間一般で言われる70年代回顧的なバンド、そのどちらもが彼らのライブを観たあとだとしっくり来ない。彼らは本当に、ただただロックしているだけ。本物のロック・バンドのグルーヴ。曲がどうこうとかってのはあまり関係ないというか。新作収録のモータウン風バラード”Too Much Is Not Enough”も、2012年の3rd「Lights Out」のハード・ロッキン・ナンバー”An Industry Of Murder”も、彼らの代表曲のひとつ、北欧出身という彼らのルーツを感じさせられるムーディーな”Uncomfortably Numb”(・・・しっかし、なんつうタイトルだ。。)も、全部ロック。メタルとかドゥームとかサイケとか、所詮はサブ・ジャンルでしかなくて、ロックを細分化するのではなくその根源・本質に近づいていくような圧巻のグルーヴと、それが生み出す有無を言わせない説得力。ロックってこれだよなあ!って、もう本当に感激したっての。彼らは「ロック」ってのに感けて思考放棄するみたいな態度とは無縁の、非常にクレバーな人たちなんだろうし(そうじゃなきゃあんなインテリジェントな音楽は作れないと思う)、そういった連中が求道的に音楽を追い求めた結果辿り着いたのがシンプルに「ロック」であり、あのグルーヴ感っていう。あれを全身に浴びたことって、僕のこの先を決定付ける重大な出来事になるんだろうなあ。16年くらい前に下北沢のシェルターでVibratorsを観たときのように。
ライブの中盤、新作からの”Magnetic Shunk”に次いでプレイされた彼らの代表曲”Hisingen Blues”がこの日のハイライト。会場のヒートアップっぷりはもう、ガンギマリ状態w 会場が揺れていると錯覚するくらいの大歓声に加えて、そこらで(多分)イリーガルな煙が上がってるし、横にいたGraveyardの大ファンと思われる白人のマッチョな男性(ほとんど全曲をデカイ声でシンガロングしてた)は感極まったのか泣きだすし、なんかもう滅茶苦茶で、それがすごく楽しかった!
ライブ、人並みを掻き分けて前から2列目で観てたんだけど、Brooklyn Bowlってサイズの大きいハコだから必然的に音量も音圧もすごくラウドで、けれども音自体はとてもクリアで。とにかく気持ちよかったなあ。さっきGraveyardのwikiページ見たら、なんか連中日本に行きたいとか行ってるみたいなんで、本当にもう一度観たい!来日するなら脱獄してでも行く!!
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アンコール1発目、Vo/GのJoakimがひとりだけステージに戻ってきて新作収録の”Stay For A Song”をEpihoneのセミアコ1本で弾き語りしてるとき、このNY旅行中ではじめて「ああ、いま俺アメリカにいるんだなあ・・・」っていう実感に包まれて。ギャグというかほとんどヤケクソみたいなノリでNYまで来たしすごく楽しかったけれども、海外だ!っていう感動とか実感ってまったくなくて。それは昨年ロンドンに行ったときもそうだったけど。海外と自分の距離が近くなったってことなのか、単に僕が歳を取りすぎて感受性が衰えたってことなのかは自分ではわからないけれども、よく言われる海外に行って視野が広がって云々とかそんなのなんもなくて、どうせまたいつものつまらない日常に戻っていくんだよなあという、わかりきっていることをアメリカまで再確認しに行っただけな気がしないでもないのだけど。あの瞬間のこと、眼の前に拡がる光景は帰国してから1ヶ月が経ったいまでもリアルに思い出せる。うまく言えないけれども、あの感じをたまに思い出してまた明日から頑張ればいいのかなと、極私的な感情を適当に片付けて。こうして僕のNYでの最後の夜は更けて行ったのでした。・・・なんて書いておきつつ、NYに着いたのこのライブの前日なんだけどな。

 

この夜のライブから何日かして、いつも読んでるBrooklynVeganにこんな記事が上がっていて。写真だけでこの日のライブの熱気が蘇ってくるようで・・・つうか、近くで写真撮ってたゴツイ人らってBrooklynVeganのフォトグラファーだったのかよ!?なんだよー、そうだと知ってたら話したかったのに。
そんな感じです。季節、年度の変わり目で大変な思いをしている人も多いのではないかと思うけど、それでも音楽のことを熱く語っていきましょう!読んでくれてありがとう。
カテゴリー: Diary, doom, hard rock, heavy metal, live report パーマリンク

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