Emma St. Clair by Emma St. Clair

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カリフォルニア州ミッションビエホの女性アーティスト、Emma St.Claie(FacebookTwitterTumblr)。彼女はその(端麗な)容姿から想像するに恐らくはまだ10代後半ではないかと思うのだけれども、FacebookページのプロフィールによるとCarrisa’s Wierd、Radiohead、 Grimes、Waxahatchee、 Purity Ringに影響を受けたという、または本作のサンクス・リストに「Thanks Thom Yorke, Lil B, mom and God」と記す、そんな彼女の奏でる音楽は若さに満ち溢れていて瑞々しく、そしてどこまでも深く哀しいものだ。彼女が自身のBandcampにプロフィールとして掲げたテキストが非常に秀逸なので、ここに転載する。

Schoolgirl sadcore, pathetic wave, postsad, piano anti-house, I-can’t-play-guitar-core, sadgirlbedroompop, I-got-dumped-rock etc.

Is being sad a meme yet?

まだ、哀しさを湛えているということはミームなこと?・・・僕はそうは思わない。決して。

彼女は自身の音楽性をピアノベースのサッドコアと捉えているようだし、実際その通りと言えばそうなんだろうけど、どちらかと言えばRed Alderに通じるようなベッドルーム・ポップとして、僕はリラックスしてこの作品を楽しんでいる。きっと、この10曲はすべて、彼女自身の「哀しみ」を吐露した私小説なのだろうし、だからといって過度に増幅された自己顕示欲ばかりがずらりと並べられた、自意識過剰の博覧会のような作品になっているわけではまったくなくて、聴後感としては10代特有のモラトリアム云々、と切り捨てていい類のものではない彼女の本当の「哀しみ」であり、切実な祈りのような歌声が心に残る。哀しみを感じることは生きるうえでもっとも美しい体験のひとつであるし、それに耽溺することは自己憐憫などではないんだ。この作品が僕に伝えてくれたのは、そういう素敵なこと。

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本作はカリフォルニアのDIYレーベル、diy4lyfe(FacebookTwitterTumblr)からカセット・フォーマットでもリリースされている。diy4lyfeはあまり注目されているとは言えないレーベルだと思うけれども、ジャジーなマスロック・バンドによるサイケデリック的アプローチが鮮烈なThe Glorisasの「Viaduct」(また、数日前にリリースされたばかりの「Fertile Grow」もバンドのそのサイケ路線がさらに前面に押し出された傑作であった)や、フォーク/DIY・パンク・ユニットPanoramicの「Rule of Things」など、良質な作品の数々をカセットでリリースしているレーベルなので、DIGったら色々と面白い音源と出会えることを僕が約束します。(僕は本作をdiy4lyfeからのカセットではなく、ハンドメイドのジャケットに惹かれてCDを彼女のBandcampを通じてオーダーしたのだけれども)

また、彼女は本作の前に”Arizona Girl”というデモ楽曲をBandcampにアップロードしていて地元のラジオでもエアプレイされたようなんだけれども、残念ながら現在はネット上から削除されていて僕は未聴です。また、Bridal Path(FacebookSoundcloud)による”Morphine“という楽曲に彼女はゲスト・コーラスとして参加していて、このBridal Pathもdiy4lyfeのコンピレーション「Friends Fest 2 Compilation」に1曲収録されていることから、diy4lyfe周辺のカリフォルニアのDIYシーンというのが基本的には小さなコミューン的なものではないかと僕は想像するのだけれども、実際のところはどうなんだろう。彼女ともども個人的にとても興味があるので、今後コンタクトをとっていってみたいなと思っている(彼女には送料関係の問い合わせを兼ねて、賛辞を伝えるメールを既に送信済み。すぐに彼女から返事が返ってきて、ちょっと嬉しかった)。

 

・・・と、このエントリーを書き終えたつもりでいたところに、彼女の次作EPの1曲目であるという楽曲がはやくも届けられた。

バスタブに服を着たままずぶ濡れで横たわる彼女のポートレイト。何度も繰り返されるリフレインの「hold me down you are gravity and don’t you dare abandon me.You won’t. I know you won’t. 」というリリックの悲痛さ。彼女の構築する世界観に耽溺することを瞬時に強制されるかのような、そんな即効性に満ちたこの曲を聴きながら、いま僕は。もしかしたら。これからまさに開花しようとしている、とんでもなく巨大な才能な出会ってしまったのかもしれない・・・と心が騒ぐのを抑えられないでいる。

 

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