Revolving Door by pseudonym

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サンフランシスコのインディーポップ/オルタナティブ・ロック・バンドPseudonym(Facebook)の音源を見つけてから、当ブログにてエントリーを起こそうと色々ネット上を調べたのだけれども、困ったことに本当にインフォの類が落ちていない!音楽に限らず、90年代半ばくらいまでのニッチな情報というのはインターネットがまだ追いついていないというか、誰かがそれをアップロードしない限り届かない非常にレアなものであることを認識していながらも、この95年デビューのバンドについての情報のなさには困るとか以前に、ちょっと狐につままされるようだというか、このPseudonymというバンドが誰かの架空のプロジェクトで実在しないのではないか?とすら考えてしまうほどであったことをはじめに記しておこう。

 

Psedonymは今から遡ること20年前の1995年、Pabzという名義でスタートしている。バンド結成の経緯について、VoのPaul Desjarlaisは、メンバーのうち4人が病院の待合室で一緒になった、僕らの担当医がドラマーになったから”Dr.Rhythm”(注・90年代前半に一世を風靡したローランドのドラムマシーンの名機です)と名乗った・・・などといった惚けたことを最新作「Revolving Door」のライナーノーツで書いているが、それらを積極的に無視して話を進めると、Pabzは95年の8月にアルバム「S/T」を カセットのみでリリースしている。

アルバム冒頭の”still like you”での、テキーラを一気呑みして酩酊した中期Flaming Lips、または知性をすべて喪失したサーストン・ムーアとでもいうべきような、不協和音を掻き分けるかのようにファルセットのメロ/ハーモニーに、ピアノのフレーズが素っ頓狂に鳴り響くサイケデリア・サウンドにまず度肝を抜かれるが、Trk-2以降はJellyfish/中期XTC的な箱庭感の強いポップサウンドが続く。95年と言えばアメリカを中心にグランジ・ムーブメントが世を席巻していた時期であるが、その影響はほとんどと言っていいほどに感じられない。このアルバムからは彼らのポップセンスが際立った名曲、Trk-1oの”you’re no fun at all”がクロアチアのメディア(おそらくはファンジンとかではないかと思うのだけれども)で62位にランクしたという。本当かよ。 そしてバンドは、同カリフォルニア州のビール会社Pabst Brewing Companyに訴えを起こされ、バンド名をPseudonymと改名し、セカンドアルバム「Pig Tail World」をCDフォーマットにてインディーレーベルGrasshopper Recordからリリースする。

基本路線は前作同様ながら、アコースティックな響き、マクロビオティックなトーンを基調とした曲がアルバムを占めている。ドラムマシーンDr.Rhythmだけでは思うような効果が得られなかったため(もしくは故障したため?申し訳ないけどあまりに馬鹿馬鹿しすぎて彼らのバイオをあまりよく読んでいないので不明)か、彼らはスタジオ中のポットやら空き缶やらを叩いてパーカッション的なサウンドを導入しているとのこと。個人的にはTrk-10の”ray gun”のアッパーなBMX Bandits的サウンドが今作のベスト。そののち、このセカンド・アルバムのレコーディング・セッションのアウトテイクが「Stupid Star(EP)」として纏められてリリースされ、恐らくはそこでバンドとしての活動は終了した(その背景にはメンバーの移住などもあった模様)・・・はずだったのだが。

今年2015年2月、セカンドアルバム「Pig Tail World」から17年の歳月を経てバンドは再始動し、サード・ア ルバム「Revolving Door」を彼らのBandcampページで発表した。 バンド活動時商業的成功も、名声も、決して得ることができなかったメンバーたちが、もう決して若いとはいえない年齢であるはずだし、家庭だの仕事だの何だのっていう現実的な側面に恐らくはなんとか折り合いをつけて、当時のメンバーそのままで集まってもう一度アルバムを制作して。もちろん、ドラマーとして「Dr.Rhythm」がクレジットされていて。なんで彼らがそこまでしてもう一度バンドをやるのか?答えはきっと、彼らがなによりも音楽を愛してるから。それ以外に理由なんて考えられるかよ。でもそれって、ちょっと感動的なことじゃないか?肝心の音楽性も、サウンドの質感にしても彼らが活動していた当時からまったく変わっておらず、サイモン&ガーファンクルの”The Only Living Boy in New York”のカバーを含むこの全13曲が、90年代に録音された音源だって言われても僕は信じるだろうし、むしろ彼らの音楽性はインディーポップ全盛の現在のほうが多くのリスナーを獲得するのではないか。そして、アルバム1曲目の”art school lady”~2曲目”long goodbyes”がとにかく最高。”art school lady”のイントロの時点でもう、聴いていて胸が熱くなる。いま僕が音楽に抱えている想いを、Pseudonymがそうだったように10年後も20年後も・・・いや、僕が死ぬその瞬間まで、ちゃんと大事に握り締めていこうって思う。

 

というわけで、僕はこれから新幹線に乗って、片道1時間かけて大阪は茨木のライブハウスまでライブを観に行ってくるので、このエントリーはここでおしまい。きょうはライブを観たあと新大阪駅前のビジネスホテルに泊まって、あしたの朝の始発の新幹線で僕の住む岡山に戻ってきて、朝7時からそのまま仕事っていう。ハードだけど、僕はこれからも、こういう風でありたい!ってそう思うんだよ。

カテゴリー: alternative, indie pop パーマリンク

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