the sleepwalk interview

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ウェスト・ヴァージニアのカセットレーベルOtherworldly Mystics(FacebookTwitterTumblr)がいま、本当に面白いことになってきている。当ブログとも関わりの深いレーベルオーナー、Chris Robertsによるソロ名義での「Transmission」(Otherworldly Mysticsの作品の多くでアートワークを担当しているJared D.Weissによる同名のアニメーションのサウンドトラックとして制作された作品で、そのアニメーションはここで視聴できる)における、漆黒のドローン・サウンドのインパクトが僕にとってはあまりにも強すぎたため、僕はしばらくのあいだこのレーベルをドローン/エクスペリメンタル系のレーベルとして誤認すらしていたのだが、Otherworldly Mysticsの根底的なスタイルとしてはUSインディーに眠っているまだ掘り尽くされていない金脈から「DIG」った、アンダーグラウンド感の強いDIY作品を積極的にリリースしていくというものであり、特にレーベル・コンピレーション「Book One」以降はその性格をより顕著なものにしている。彼らのそういったスタンスを象徴的に示すリリースこそが当ブログにおいてもレビューを行ったTHEMAYSの「KNOWHERE」とHaunterの「S/T」であろう(参考エントリー:当ブログにおけるTHEMAYレビューHaunterレビュー)。そして、Otherworldly Mysticsは昨年10月、オーナーのChris Robertsのメイン・プロジェクトOrca Lifeの新作「Among Waves」(2013年に彼がChill Mega Chillより発表した傑作「Modern Living」において実験的に導入していたビート感は一歩後退し、彼本来のChillなアンビエントサウンドをメインに展開した作品となっている)のリリースに次いで、先月the sleepwalk(Facebook,Soundcloud,Twitter)のアルバム「Staring At The Stars While You Lay On Your Back On A Trampoline」をカセットリリース、また同時に彼らのBandcampにて音源データをBuy Now-name your price-で公開した。

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カリフォルニアのCloud Mammoth(Facebook,Soundcloud,Twitter)のメンバーとしても活動するRobert Wrenのソロ・プロジェクトであるこのthe sleepwalkのアルバムは、まさに鮮烈の一言。冒頭曲の”3:16 AM”でのやや不穏なエクスペリメンタル・サウンドに始まり、緩やかに進行していくTrk-2″I Dunno”のブレイク・パートにおける、極めて暴力的で、リスナーをエモーションの激流へと強制的に放りこんでしまうかのような、壮絶なギター・エクスプロージョン!This is it!!・・・正直なところ、最初にこのトラックを聴いたときは言葉を失うほどであった。アルバム全体を通して、静謐なアンビエント/エクスペリメンタル・サウンドをオルタナティブ・ロック/シューゲイズへと融解させていく実験性を随所に見せながらも、最終的にはロック的なカタルシスへと着地させていく手腕には彼のソングライティングの独創性を確かに体感することが出来るし、このアルバムの完成度の高さは刮目に値するものである・・・のではあるのだが。なにぶん情報量の少ないアーティストであるし、この作品についての充分なインフォを僕らが手にしているとはまったくもって言い難い。そこで、当ブログはthe sleepwalkことRobert Wrenにメール・インタビューを申し込み、彼はそれを快く承諾してくれた。これが恐らくは全世界初!となるthe sleepwalkインタビューである。

 

・Noogaに掲載されたあなたのアルバムのレビュー(Link)を読んだのですが、the sleepwalkはあなたのワンマン・バンドまたはソロ・プロジェクトなのですか?すべての楽器をあなたがプレイしているのでしょうか? 

Robert Wren(以下RW)「ソロ・プロジェクトだね。俺はもう何年ものあいだあちこちでバンドを組んで曲を作ろうとしてきたんだけど、2年前にふと気がついたんだ。もう特別なサムシングが自分に起こるのを待つのは止めにしよう、自分の力だけでアルバムを作るべきだ、ってね。波のようにやってくる憂鬱をくぐり抜けてそう決断するに至ってからというもの、なにかに自分が取り組めるということは本当に俺自身に浄化作用をもたらすものだった」

・それからあなたはCloud Mammothのメンバーでもありますよね?あなたのプロフィール、過去から現在に至るまでのキャリア、それから音楽的な影響について教えてください。

RW「イエス!俺はガールフレンドのLisa Millerをギターに、俺たちの親友で、ある一時期俺も在籍していたScruffles(Facebook)のJon OwensをベースにCloud Mammothをスタートさせた。昨年の夏にとあるハウスパーティーに俺がCodeineのTシャツを着て行って、JonがそれがドラッグのTシャツじゃなくて、バンドのTシャツだよなって俺に聞いてきたはじめての奴だったんだ。(※編注・CodeineはSUB POPからのリリースなどで知られるスロウコア・バンドで、同名のドラッグがあることでも有名です。まったくの余談ですが、60年代にDan Hicksが在籍していた伝説的サイケデリック・ロック・バンドCharlatansにも同名の曲があります)俺たちはそのハウス・パーティーのキッチンですぐにバンドを結成して、それからMuscle Beech(Facebook)のIan Douglasをドラマーに加えてその一月後にはハウスパーティーやその他のショウでプレイし始めたんだよ。JonとIanは結局自分たちの音楽に取り組むためにバンドを離れ、俺たちは代わりにLisaの兄弟のRandyをベースに、俺たちの友達のNoble McCaffertyをドラムに迎え入れた。Cloud Mammothは完全にCodeineのようなスロウコアバンドとしてスタートしたんだけど、いくらか俺たちが穏やかになってきて、俺たちがやりたかった音楽ともっとゆったりとしたヴァイヴとをミックスしたものをプレイし始めたんだ。俺は90年代のエモ、American Football、 Cap’n Jazz、The Wrensなんかに夢中になって行ったからね。True Windowのファースト・アルバムにも多大な影響を受けたよ。これがCloud MammothsのFacebook Pageだ:https://www.facebook.com/CloudMammoth」 (※編注・Cloud Mammothの現時点での唯一のシングル「Ghost Party」のストリーミング/ダウンロードはこちらで。また、彼らは先日アルバムのレコーディングを終えた模様です)

・あなたの意識のもとでのthe sleepwalkとCloud Mammothの違いについて教えてください。

RW「Cloud Mammothは非常に穏やかなバンドで、the sleepwalkは俺が抱えていた生々しい感情やフィーリング、結果としてそれをthe sleepwalkのアルバムでぶちまけることになるわけだけど、それらにダイレクトに関わってくる、まさしく俺そのものだと感じている。俺はCloud Mammothでも同じような物事について曲を書き続けているけれど、そこには明確な差異があるんだ。また、俺がすべてを行っているわけではないから、音楽的にもかなり異なるよね。自分とは異なった視点を持つことが出来るということによって大きな恩恵を受けているし、おかげでいつだって新鮮でいることが出来る。Lisaのリード・ギタープレイは本当にユニークなもので俺たちのサウンドに多くのものを加えているし、彼女はバンドのシークレット・ウェポン的な存在さ。Nobleが凝りに凝ったミニマル・ビートを叩き出して、必要とあれば彼がクレイジーになっているあいだにも、Randyのベースはスーパーソリッドで、俺たちのサウンドをひとつにまとめあげてくれる。一緒にプレイしていて本当に楽しいバンドだよ」

 

・僕は本当にOtherworldly Mysticsのファンなのですが、どういった経緯でthe sleepwalkのアルバムがOtherworldly Mysticsからリリースされることになったのでしょうか?また、あなた自身Otherworldly Mysticsについて、レーベル・オーナーのChris Robertsについてどうお考えなのでしょうか?

RW「うーん、俺は2014年の3月にアルバムのレコーディングを終えてから、レーベルとコンタクトをとらないといけないなって考えに及ぶまで2ヶ月くらい、もうまったく何もしないでいたんだ。俺はカセット(カルチャー)に入れ込んでいたし、俺の目についたカセットレーベルのなかでもOtherworldly Mysticsは特にクールな音楽とアートワークを誇っていた。実際に、俺はまず彼らの「Book One」のコンピレーション・カセットを、そのアートスタイルが本当にクールだったから購入したんだよ。それから、俺は彼らにthe sleepwalkの音源をリリースする気はないかってメールを送ったんだ。そうしたら1日か2日後にはChris Robertsから、俺のアルバムをとても気に入ってるって返信があったんだよね。最高だと思ったよ。彼らは俺がコンタクトをとった唯一のレーベルだったから、すごく幸運なことだったよね。彼らがリリースしたもののなかでは、俺はHaunterのカセットを本当に気に入っていて、2ヶ月半くらいのあいだ俺の車のカセット・プレイヤーに入りっぱなしになっていたくらいさ。ChrisのプロジェクトOrca Lifeはものすごくグッド・ヴァイヴスに溢れているし、「Book One」のコンピレーションは間違いなく俺の2014年のフェイバリット・カセット・コンピレーションの1本だ。Rachel Thomasinの「Outlines」のカセットも手に入れなければいけないなってずっと思っているんだけど、まだ買いそびれてるんだよなあ。でも、それらのアーティストに続いて自分の音楽がOtherworldly Mysticsからリリースされるっていうのは本当に最高の気分だよ」

・あなたのアルバム「Staring at the Stars While You Lay on Your Back on a Trampoline」は非常にバラエティに富んでいて強力な作品になっていますね。まるでlo-fi/ガレージ・バンドがアンビエント/エクスペリメンタルの要素をシューゲイズに投入したかのようなサウンドで、本当に刺激的です。このアルバムの制作について教えてください。レコーディングは相当大変なものだったのではないでしょうか?

RW「ありがとう!アルバムの制作には本当に苦労したから、そう言ってもらえると嬉しいよ。作曲とレコーディングには8~9ヶ月くらいかかったかな、その間さまざまな異なる音楽を聴いていたから、それらが自分の音楽に現れていることを願うよ。その時期その時期において自分にとって重要だと思えるサウンドを掴むことに俺は神経を注いできたし、それが出来たと今は思っている。Yo La Tengoの、特に「Painful」の存在は俺にとって大きいね。The ReplacementsとGuided By Voicesもグレートだ。彼らはまさしくロックンロールで、いつだって道を踏み外すことはなかった。彼らは自分がどうしようもない奴のままでいてもいい、そんな自信を俺に与えてくれたんだよ。誰もが完璧な人間ではあり得ない、特に俺なんかの場合はね。My Bloody Valentineからは疑いの余地のないくらいに影響を受けていて、どのようにしてKevin Shieldsがあのギターサウンドを手にしたかについて書かれたものを俺は可能な限り読み漁ったよ(そんなことをしてしまうくらいに彼のサウンドは素晴らしいし、いつの日か俺は彼に追いついてみせるつもりだ)。Brian Enoもまた自分にとって重要な存在だ。「Another Green World」は美しくて短いインスト曲の数々が、より形式的な楽曲の間に挟まれていて、それによって得られる効果が俺は大好きでさ、だからそのアイデアを自分のアルバムに取り入れた。ああ、あとそれから俺は思いがけずNew OrderのCeremonyのリフを完全にパクっていたんだけど、その箇所を自分自身のモノにすることは充分にできている、って結論付けることが出来たんだよね。Joy DivisionとNew Orderも俺のフェイバリットさ。俺は録音とミックスを自分のパソコンと、数年前に学校の先生から譲り受けた古いレコーディング機材の数々で行った。俺が自分の曲を手にするまでは、トラックごとに本当にゆっくりと時間をかけてありとあらゆることをビルドアップしながら構築していった。俺にはいつだって各楽曲で何を言いたいか、どんなサウンドにしたいかといったことについて漠然としたアイデアがあったんだけど、ほとんどの場合それぞれの曲で自分がどんなことを言っているか、どんな風なサウンドになっているかということに最終的に気がついて驚く、というものだったね。レコーディングには確かに必要以上に時間がかかってしまっていたけれども、俺はそれでも自分の結晶となるものを求めていたから、全然構わないんだ」

・リスナーがあなたの音楽を聴くとき、どんな感情を抱いて欲しいとお思いですか?

RW「みんな自身の想い出やフィーリングに自分の音楽が結び付いたらいいなって考えている。幸運なことに、ほとんどの人にとって自分の音楽はそう機能しているように思うんだけど。ときどき、長い間聴いているアルバムが、はじめてそのアルバムを聴いたときに自分の周囲で起こった出来事についてのノスタルジーや感情の強い起伏をもたらすことがあるけれども、たとえそれが悲しい想い出やフィーリングに関するものを呼び覚ましたとしても、そのこと自体が美しい体験なんだ。だから、もしこのアルバムが誰かにそういった体験をもたらすなら、俺は本当にハッピーだよ。個人的には、あるアルバムに入れ込んだときに歌詞の内容やアーティストの意向を細かく考察して、多くの場合それについて自分がどう感じるかという新しい次元をそこに加えていくのが好きなんだ」

・あなたのアルバムはすでにインターネット上でNoogaやPSYCHGAZERStart-TrackFloorshime Zipper Boots、それから日本のブログsketch for summer などで好評を博していますね。いまどんなお気持ちですか?.

RW「本当にぶったまげてるし、光栄なんてもんじゃないよ。レコーディングをしている最中ずっと、俺はこれがどうしようもないくだらないもので、完成させるべきものなのだろうかとすら思っていたからね。結局はこれが良くない作品だろうとなんだろうともうそんなことは関係ない、自分が作り上げたいものを仕上げることさえすればいいんだ、そう決心したんだけどね。俺はアートを作りたかった、そしてそれがくだらないアートだったとしても、俺は最後までやり遂げて人々がそれを体験するところを見てみたかった。だから、リスナーが聴いて楽しんでくれてることを確認するのは、俺がアルバムを完成させたことの有効性を示すものだと思っているよ」

・それから、今後のプランについて僕らにシェアしていただけますか?

RW「ちょっとしたインスト曲がOtherworldly Mysticsのコンピレーション「Book Two」に収録されてリリースされることになっているよ。けれどもそのあとにはthe sleepwalkに関しての明確なプランはなにも用意していないな。俺が忙しくなくなったら、結局はthe sleepwalkに戻ってくることになると思うんだけどね」

・最後に、僕のブログを読んでくれている人たちにメッセージを!

RW「君たちひとりひとりが探し求めているなにもかもに、君たちが出会えますように。君たちひとりひとりが君たち自身でいてくれて、どうもありがとう」

 

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