Diastima by Blake Melton

(Blake Meltonについてはこちらのエントリーをご参照ください)

Diastimaは2013年の幕開けに世界中が沸く1月1日に、それはもう本当にひっそりとこの世に放たれた、2013年最初の名盤である。

もう、僕は。今年もきっと目まぐるしい勢いで次々に発表されていくであろう、

素晴らしいミュージック・リリースのすべてと無縁に生きることになっても構わない。

僕は。これが欲しかった。

今作Distimaのリーディング・トラックとしてSoundcloudにアップされていたTrk-3のTwelve Sisters、

同じリッチモンドのアーティストで、恐らくはBlake Meltonとは友人であろうLotus GridのWe Can Finally Watch Dogs Sleepのカバーを含む

全4曲のこのEPは、アンビエント/ネオクラシカルに立脚しながらも、その一音一音によってリスナーの心を動かすこと、リスナーの魂を震えさせること

・・・そんな、Blake Meltonの音楽の主題(と僕なんかは勝手に思っているのだけれども)を明確に打ち出しているように思う。

間違いなく、今作は傑作である。

 

Trk-1のOpening CeremonyからTrk-2のPanaceaへとドラマチックに続いていく粛然としていて荘厳な響きなどは。

タイタニック号にて最期まで上演され続けたという賛美歌320番を、まさしくその船上にて聴いているかのようではないか。

タイタニックに事寄せてこのセンテンスをもう少しだけ続けてみるならば。

タイタニック号の沈没をミニマリスティックに表現したGavin BryersのThe Sinking of the Titanic、

そしてその3回の録音のなかから95年の録音をもとにして、

沈んだ客船を引き揚げんとしたAphex TwinによるリミックスRaising The Titanicから18年後に。

この2曲は、Aphex Twinのリミックスによって海上へと甦ったタイタニック号の、その華美な姿を、その航海のすべてを。

再び北大西洋へと沈めんとする鎮魂歌のようではないか。

・・・と、僕はこの音楽を聴いているとそんな妄想すらしてしまうのだ。

 

 

Blake Meltonが今作のリリースに際して、自身のFacebookに投稿した短い文章が秀逸なので、ここに引用しよう。

「Ring in the new year with a new EP to ice your iTunes. Decent music to sleep or cry to. Be alone. 2013.」

そう、孤独とは。これほどまでに凛として美しく、どこまでも力強く咲き誇ることの出来るものなのだ。

どこまでも、誰かの魂を揺さぶることの出来るものなのだ。

そして僕は。きょうもこの世界で一番美しい孤独な音楽を聴きながら、涙を流して。

眠りにつこうと思う。

カテゴリー: ambient パーマリンク

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