ambien music by Ricky Eat Acid

メリーランドの若干21歳の若き天才、Sam Rayによるソロ・プロジェクト、Ricky Eat Acid。

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つい数日前、そのRicky Eat Acid名義での音楽制作を無期限に停止することがSam Ray自身によりアナウンスされた。

このアーティストに関してはいつか、それこそリミックスなども含めた詳細なディスコグラフィーを当ブログにて作成しようと思っていたくらいに、

個人的に非常に思い入れの深いアーティストなので、

この機会に海外と日本ではその知名度・評価に関して極端に開きがあるRicky Eat Acidについて僕なりにまとめてみたい。

Ricky Eat Acidが2009年から現在までに発表してきたEP/アルバムの数が、

ラスト作のambien musicまでで、計11枚。

その他にもBandcampやSoundcloudなどに上げられた楽曲・他アーティストのリミックスは膨大な量に及ぶし、

ガレージ/パンク寄りのプロジェクト、Teen Suicideでの活動、

Coma Cinema/Elvis Depressedly、Toro y MoiのメンバーらとのプロジェクトGremlinsでのEP、

または奥方とのユニットcute boy kissig booth並びに

自身のレーベルunlimited free milkshakesのコンピレーション盤art week 2012-unlimited free milkshakes compilation

(収録されているトラックの多くがSam Ray自身の変名ユニットであった)や

時折Tumblrにアップされているデモ音源なども含めると、そのすべてを把握するのが困難なほどに

おびただしいリリース量と、音源ごとに著しく変わる音楽性がこのアーティストに興味をもった

リスナーにとっつきにくさのようなものを与えているのは事実だろう。

Ricky Eat Acidの音楽に海外のインディーファンたちが熱狂的に支持を示していて、

アーティストたちからのラブコールも絶えないのは、結局のところ。

近年のChillwaveの台頭と見事なまでに共振した彼のアンビエント的なサウンドをベースにしたエレクトロニック・ビートメイカーとしての

側面によるものではないかと思う。

それは例えば。彼の代表曲と言ってもいいだろう、Only Girlであったりとか。

RihannaのOnly Girl(In The World)のサンプルを使ったこの楽曲の質感は、

まさにChillwaveのそれに親しいものを感じさせるし、大名曲Birdsなども然りなのだが。

彼の指向性はあくまでもlo-fiで、時にダークなトーンで展開されるアンビエントやドローン/エクスペリメンタルであり、

ややナイーブなまでにチルな初期の名作HUGSBallonsのリスナーに対して、

よりアンビエントでドリーミーなサウンドであるとして,ほとんどのトラックが1分少々で終わる

ショート・ストーリーズ、you get sick;you regret things

(楽曲の多くはアコースティックギターの響きが印象的な作品だった)をどこか挑発的にも見えるスタンスでリリースし、

その音楽的な実験はSometimes we’re blueAprilを経て

Ricky  Eat Acidの最高傑作と呼び声の高いseeing little ghosts everywhereに結実していく。

このアルバムの、徹底してストイックに音数を削ぎ落された全21トラックのlo-fiなテープ・コラージュは、

現在USインディーのドローン/エクスペリメンタル指向の強い若手アーティストたちの音源に、ただちにその影響を見て取れるほどに

非常に即効性の強いものであったし、

今後「クラッシック」として語られるであろう、エクスペリメンタル・ミュージックの金字塔的作品である。

または、そういったエクスペリメンタルな指向性を披露しながらも、

それまで彼の音楽を支持していたリスナーを困惑させようとする意図すら見え隠れする、

歪みきったヒップホップビートでDance with u

そして傑作Haunt u foreverをリリースする。

カリフォルニアのカセット・レーベル、Chill Mega Chillのファーストリリースがこの作品だったというのは非常に興味深い。

・・・っつうか、このアルバムはちょっとテンションが異常。Slo-Dancin’とか絶対アタマおかしい。

もともとSam Rayはヒップホップの熱心なリスナーみたいだし、

ことしの春先に隔週でパーソナリティーを務めていたラジオでLil BやDeath Gripsやらを

嬉々として流していたのを僕は聴いているので、この時期のこういった音楽性の転換にはいまさほど違和感はないのだけれども。

・・・むしろ、彼にはこういう倦怠感にまみれたヒップホップをもう一度やって欲しいとか、

せめてこのHaunt u foreverをヴァイナルで切って欲しいと思っていたりもする。

2012年になってからはSam RayはRicky Eat Acid名義での音楽活動よりも、

Teen Suicideでの活動を盛んに行っている。

lo-fi、というよりもRAWな質感の、GONERなんかに影響されたであろうガレージ・パンクで、ものすごくかっこいい。

Sam Rayの住むメリーランドがこのwikiに頼るまでもなく、多くのパンク、ハードコアバンドを輩出していることを思えば、

彼がティーンのときにパンク・ロックに影響されていたことは想像に難くない(とは言っても、

彼がRicky Eat Acidとして音楽を発表し始めたころはまだ彼は10代なのだけれど・・・)

そして、このpostの冒頭に戻る。

Ricky Eat Acid名義での音楽活動の無期限停止なのだけれど。

僕の見解としては、ここに来て、彼の中で音楽性と、それを発表する上での名義とが未分化になってきているのかと。

Teen Suicideをガレージ・パンクと安易にカテゴライズしたけれども、今年の2月にリリースされた自身のレーベルのコンピ盤、

art weeks 2012-unlimited free milkshake compilationに

Teen Suicide名義で収録されている楽曲salvia plathなんかは、

Ricky Eat Acidのlo-fiなエクスペリメンタル路線そのままだったりする。

Sam Rayによって、Tumblrに投稿されたRicky Eat Acid名義の凍結、ならびに

ラスト作ambien musicについてのpostをここに無断転載しよう。

「dear everybody – i’m finally going to put the ‘ricky eat acid’ name on hiatus but before i do i’m choosing to release the final ep i recorded as ricky eat acid. i recorded these songs last summer while wrapping up seeing little ghosts but they were never released. it’s a project that flows fully and evolves from beginning to end, becoming more and more expansive and darker as it goes. there’s a description on bandcamp, but that’s for the general public, of sorts, and i’d like to give a better description here.

i recorded these songs at a very strange period (not as strange as seeing little ghosts, perhaps, but still very odd) and i think they reflect the melancholy of the situation that was unfolding while i wrote them. the process of recording was very important to me while creating these songs, as i’d record full drone pieces and then painstakingly cut apart the file for the song – changing things however i could, even cutting the .wav into tiny pieces and rearranging it in a cutting board like garageband or ableton; warping it however i could, basically.

it set the precedent for work i went on to do later with warping tapes while recording, etc, and as such is sort of the perfect precursor to the ‘heroin party’ album i’m currently working on (right down to album art) but more on that later.

anyway, the process of recording was so important because in that emotional state, hacking away for hours at a 4-5 minute song in an attempt to create something brand new, with no clue of how it would sound finished, was the most therapeutic thing in the world. that is to say – it didn’t help me at all, but it put my mind to a more laborious and menial use than worrying.

the most pretentious (and still the easiest) thing i can link it to is the abstract expressionist movement, particularly any color-field kind of painting where one broad color elicits a stronger emotional response than any composition. i don’t want to be a fucking asshole, and i’m in no way comparing myself to any of those artists, but that is the inspiration and what i was striving for, for better or worse.

anyway. i hope you guys enjoy. while the ‘ricky eat acid’ name is set aside (and possibly not even for too long), i’ll be working tons with teen suicide still, and also recording what i can only describe as a ‘post ricky eat acid’ album with ‘heroin party’

thank you to everyone for putting up with all my pretentious meanderings and dumb bullshit and silly drama for the last few years. i started recording as ricky eat acid in 2009 because i owed someone money. i continued to use it as a side project where i could indulge any idea i wanted – leading from one-off-but-somewhat-popular beat-oriented pop collections, to long-form drone and short sound-art vignettes. it was incredibly fun and i met and got to know/work with amazing people. i in no way intend to disappear, but rather move forward.

anyway, that was a lot and i’m sorry. you don’t have to read this, but please listen to (and download) this album. i’m really proud of it and i’m really happy to finally release it.

i may be scum but i have nothing but love for all of you.

この作品自体は昨年の8月にすでにレコーディングされていたようで、事実、

このアルバムには未収録だが同時期に制作されたであろうambien music 6は昨年にすでに彼のSoundcloudにアップされている。

seeing~に象徴される実験性はここにはなく、lo-fiな質感すらも排除された真っ当にアンビエントな作品。

Ricky Eat Acidの最後を飾るに相応しい、荘厳たる幽玄世界でどこまでも美しい。

最後に僕の個人的なricky Eat Acidへの思いをぶちまけて、このpostを終わりにしたいと思う。

僕がこの人の音楽を猛烈に支持するのは、彼の音楽を聴くたびにいつも。

自分の心の奥底の、誰にも見せていない醜さだとか脆さだとか汚さだとか、そういった糞みたいな部分を鷲掴みにされるようで。

それは心の琴線に触れるなんて生易しいものじゃない。

この音楽の前では自分の感受性が剥き出しになった神経のように無防備で、僕はどこまでも傷つくんだ。

そんな唯一無比な音楽体験を僕に与えてくれるからだ。

カテゴリー: chillwave, electronic, hip hop, lo-fi パーマリンク

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