NUKE EARTH by THE CAVEMEN

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ニュージーランドの現行ガレージ・パンク・バンドの雄、The Cavemen渾身のニューアルバム。2015年のファースト・アルバム「The Cavemen」(もともとはニュージーランドの1:12 Recordsより極小プレスでLPが発売されたが完売し、現在はDirty Warter Recordsよりボーナストラックを追加してCD/LP/カセットの各フォーマットで再発されている)ではライブ感に満ちたサウンドを披露するも、翌2016年に彼らはそのファースト・アルバムで構築したダイナミズムをあっさりと放棄し、モノラル録音によって漂う退廃的なムードであり、タイトル通りに満ちた憎悪、怨念、殺意のなかで、刹那的でかつ自己破滅的な衝動に身を任せるという、いわばセックス、ドラッグ、ロックンロールというあの愚かしいイディオム、古びたクリシェに自分たちは殉死することも厭わないのだという態度を誇示してみせたセカンド・アルバム「Born To Hate」をDirty Water Recordsより発表。そして精力的に各国をサーキットする彼らの鮮烈なライブ・パフォーマンスは、世界中のロックンロール・ジャンキーたちの注目を集めるようになる。

2016年にロンドンのケンテイッュ・タウンのスクワットで行われたライブの模様。この薄暗いスクワットでのライブは、その場に居合わせた人間が思わずバンドとある種の共犯意識を抱いてしまうような、そんな密やかな類の熱を放つものであったであろうことが強烈に伝わってくる。「Born To Hate」のトラッシーなサウンドとは打って変わって肉体的でエネルギッシュなパフォーマンスが恐ろしくカッコいい。彼らはこんなライブを諸処で行っていたのだろう。そしてGoodby Boozy Records、In The Shit Records、Slovenly Recordsからのシングル・リリースを挟んで、つい10日くらい前にリリースされたのがこの3rdアルバム「Nuke Earth」だ。

全13曲25分間にわたって繰り広げられる、狂乱と熱狂のロックンロール・スウィンドル。パンク・ロックの直情性、グラム・ロックの下品さや淫猥さ、ベースメントで繰り広げられるガレージ・パンクの密室性、それらを併せ持った極上のロックンロール。それは吐瀉物にまみれているようにも、またはピカピカに輝いているようにも見えるし、その清濁併せ呑むさまがどこまでもリアルに映る。アルバム発表前にCVLT Nationでプレミア公開されたTrk-3の”Janey”が白眉の出来。この曲で何度も繰り返される「Go!」というVoのPaul Cavemanの掛け声を聴くたびに、ぼくは身震いがする。そうなんだよ、ロックンロールってこの無責任極まりない「Go!」という台詞に圧倒的な説得力を持たせるものなんだよ。こういうのを聴いてしまったら、ぼくらはそれぞれが思い浮かべた手の届くかどうかもわからない場所へと駈け出さずにはいられなくなるんだよ。全身の血を煮えたぎらせて、冷静な判断能力なんかもうとっくに失って、走り出すしかないんだ。その結果どうなろうとそんなことはどうでもいい。この叫びに呼応じてその身をダイブしてしまうこと。それこそがなによりも重要なことなのだから。

本作はBandcampでの公開、フィジカル・リリースだけでなく、前2作同様Apple MusicSpotifyでのストリーミング配信も行われているのでどのフォーマットでも構わない、そんなことはさしたる問題ではない、このノイジーでRAWなロックンロールに耳を傾けてみて欲しい。

そんでだ、5月11日(現地時間)にロンドンのパブThe Shacklewell ArmsにてBad Nerves(Facebook)、Fleshを迎えて本作のリリース・パーティーが行われるのだけれども、ぼくは本当にたまたま5/3~5/15のあいだヨーロッパに赴くので、現地にていまのCavemenのライブを実際に体験してくるつもり。その様子は当ブログにて鮮明に伝えたいと思っている。

 

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2018/04/01

ことしになってから購入した音源のなかから何枚か。

ヴァージニアのベッドルーム・ポップ。繊細なVo、丁寧にアレンジし抜かれた楽曲群がすごく耳にフィットする。最近は日常的に掘っているわけではない「ベッドルーム・ポップ」がぼくにとって特別な音楽であり続けているっていうのは、こういう音源との出会いがあるから。ベッドルームの孤独を、またほかのベッドルームへと繋いでいくということ。それは決して閉鎖的/限定的な営みなどではなく、夢に生きる態度そのもの。とっても素敵なことだと思う。

Clean StainsはマサチューセッツのSlipper Grassによるひとり宅録ユニット。以前彼が在籍していたOutdatesの2011年作「Clean Stains」のころから揺らぐことのない彼の音楽的なアイデンティティ、1分か2分そこらで目まぐるしく展開するジャングリーなポップ・ソング・・・はそのままに、この曲ではポスト・パンク的なダークさ/不穏さが加わっていて、どう形容していいものか掴みづらい、しかし何度も何度もリピートしてしまう中毒性に満ちている。Clean Stains名義になってから最初の作品「“Nasty Facts”LP Demo」もそうだったけど、マサチューセッツという地方都市で世間の評価など気にせずに自身の音楽を追及し続けるその姿や佇まいには幻想を抱かずにはいられない。

最近知った。Sheer Magのメンバーがやってるアナザー・バンドらしくて、昨年から活動をはじめたみたい。パンクロックのビート感を基にメタルパンクに取り組んだ、それでいて鳴っている音はパンクロック以外のなにものでもないという。こういうのがセンス、なんだろうなあ。YouTubeで彼らのファーストライブの模様(Link)が確認できるのだけれども、アンダーグラウンド臭たっぷりの地下室でのパフォーマンスは刺激たっぷり。

現在のカセットカルチャー隆盛の礎を築いたレーベルのひとつと言ってもいいChill Mega Chillは、2013年の後半くらいから正直マンネリというか、どちらかといえばぼくがアジャストできなくなってきたこともあってあまり熱心には追ってなかったのだけれども、これは良かった!R&Bを通過したシンセ・ポップがブルーアイドソウル指向のネオアコの如く煌めくさまに涙。

Exploding Heartbreak!現行パンク/パワーポップの名で呼ばれるバンドのなかで、これほどまでに先鋭的かつ先進的なバンドってどれくらいいるんだろう?成功を約束された、といってもいいような燦然と輝くこの1stアルバムを最後に解散だなんて殺生な。

 

さて。ぼくは16年勤務した企業を昨日をもって退職した。正確には、取得していない有給休暇が1ヶ月くらい残っているので、退職日は5月のアタマになるのだが。まあ、どこにでもよくある話。でも。ぼくはこれからも音楽に邁進していく、音楽に生きるよ、と。最近著しく更新の頻度が落ちていた当ブログも、2018年は再度いろいろ仕組んでいきたいので、どうぞよろしくお願い致します。

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2018/02/03

https://www.facebook.com/Sittingbythechurchwithdan/

Facebookページを以前より細々とやっていまして、ことしはこちらのほうでも積極的に音源をシェアしていこうと思いますので、よかったら覗いてみてください。

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